第38期第14/16/18回連続研究会「表現の自由」(メディア倫理法制研究部会)(初回7/2開催)

来たる7月に、以下の3つの「表現の自由」にかかわる研究会を開催したいと思います。
いずれも、専修大学ジャーナリズム学科・同現代ジャーナリズム研究機構との共催となります。

当日は、ZOOMによる簡易的なオンライン配信を行います。
開催前日までに問い合わせ先までお申込みいただければ、ZOOMアドレスをお送りします

■第1回:2022年7月2日(土)14時から2時間程度
場所:専修大学神田キャンパス731教室(7号館3階)
   地下鉄・神保町駅からすぐ、JR水道橋駅から徒歩10分弱
   https://www.senshu-u.ac.jp/access.html
「攻めて守る表現の自由~『表現の不自由展 東京2022』を開催して」
問題提起者:岩崎貞明(メディア総合研究所事務局長・放送レポート編集長・表現の不自由展東京実行委員会共同代表)
司会・討論者:山田健太(専修大学)
名古屋で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」における展示中止事件から3年が経ちます。その直後には、「あいちトリエンナーレ、その後」と題し、表現の自由の観点から10回にわたる連続講演会を開催され、主催者、キュレーター、研究者などを招き、議論を重ねられました(専修大学による企画)。さらにコロナ禍の中で、焦点となった「表現の不自由展」実行委員会は、海外での巡回展に続き、東京・名古屋・大阪で展示会を企画しましたが、東京の回は抗議行動によって延期を余儀なくされ、本年に入って国立市の公共施設でようやく実現しました。今回は、展示を実行するために法的手段はじめ妨害行為に対抗し実現にこぎつけた実行員会から講師をお招きし、いかにして表現の場を守ったかについて、その最前線に立ち運営・対応されてきた具体的方策を伺います。それは、美術展や講演会の中止等が社会問題なる今日において、表現の自由をどのように確保していくかという問題に、解決の糸口を与えることになるとも思われます。

■第2回:2022年7月16日(土)14時から2時間程度
場所:専修大学神田キャンパス731教室(7号館3階)
   地下鉄・神保町駅からすぐ、JR水道橋駅から徒歩10分弱
   https://www.senshu-u.ac.jp/access.html
★この回については事前予約をお願いします。山田健太(senshu.journalism@gmail.com)宛にお申し込みください。
「ネットヘイトに焦点を当てて」
問題提起者:宮下萌(弁護士)
司会・討論者:山田健太(専修大学)
2022年2月に出版された『テクノロジーと差別 ネットヘイトから「AIによる差別」まで』(宮下萌編著)は、インターネット上のヘイトスピーチ、サイバーハラスメント、AIプロファイリング、テクノロジーの直接差別的・間接差別的設計・利用やテクノロジーがもたらす構造的差別等、様々な角度から「テクノロジーと差別」の問題を包括的に取り上げ、全体像を把握することを試みています。「テクノロジーと差別」というテーマは「古典的」かつ「新しい」問題であり、「テクノロジー分野から出発するアプローチ」と「差別撤廃から出発するアプローチ」という異なる二つの視点が必要となる分野です。技術的な側面のみから差別撤廃を目指すことは不可能であることはもとより、「テクノロジーと差別」というテーマにおいては、技術的な側面を無視して差別を根絶することはできません。はじめに、編著者である宮下萌さんから「テクノロジー」と「差別」が重なり合う問題についてお話しいただき、その後、フロアを交えて意見交換を行いたいと思います。「テクノロジー」と「差別」が重なり合う問題について考えていくきっかけとなればと考えます。

■第3回:2022年7月30日(土)14時から2時間程度
場所:専修大学神田キャンパス731教室(7号館3階)
   地下鉄・神保町駅からすぐ、JR水道橋駅から徒歩10分弱
   https://www.senshu-u.ac.jp/access.html
「戦争報道の価値と難しさ~ウクライナ取材・報道を通じて考える」
問題提起者・討論者:綿井健陽(ジャーナリスト)、須賀川拓(TBS中東支局長)
司会:山田健太(専修大学)
危険地取材について日本は必ずしも好意的な国ではありません。政府は、戦争・戦闘状態になるとすぐに避難勧告を発し、一般市民だけでなく報道機関に対しても退避を求めます。そして、万が一、戦闘に巻き込まれたりすると自己責任であるとして突き放したり、帰国後にパスポートを取り上げ、海外取材に行くことを物理的に妨害することを厭いません。残念ながら社会全体も、そうした空気感が定着していて、ジャーナリストが現場に行くことの必要性や価値について、必ずしも理解があるとは言えません。そうした中で大手メディア(放送・通信・新聞)も一般に、戦地に行くことを忌避する傾向が強いなか、果敢にチャレンジしている社の1つがTBSで、当日は現地特派員をお招きします。ただし、今回のロシア・ウクライナ戦争においても、最前線に立つことが多かったのはフリーのジャーナリストたちでした。そのおひとりして、現場からTwitter等での速報を送り、放送、誌面でも積極的に発信を続ける綿井さんをお招きしました。一方で、今回の戦争は、市民初の動画やメッセージが現場から数多く発信されたり、侵攻される側に多くのジャーナリストが入って取材するという珍しい乗用も起きました。いま戦争報道はどう変わりつつあるのか、何がジャーナリスト自身、そして社会に求められているのかをみなさんと一緒に考えます。

【問合せ】
専修大学ジャーナリズム学科山田研究室
fax:044-911-1287 e-mail:senshu.journalism@gmail.com