第3回 研究会 吉田清彦さんに聞くーー「コマーシャルの中の男女役割を問い直す会」について②【開催記録】

▪️主 催:

公募研究統括分科会「関西フェミニズム運動史とメディア」プロジェクト研究会

▪️日 時:2026年03月21日 13:30−15:30

▪️場 所: 大阪公立大学梅田サテライト     
     アクセス https://www.omu.ac.jp/about/campus/umeda/
     大阪駅前第2ビル 6階 108教室

▪️開催形式:対面(大阪公立大学梅田サテライト 108教室)+録画配信

▪️登 壇 者:吉田清彦(講座企画塾 主宰)

▪️司 会 者:今城和香(立命館大学大学院)、丸山友美(静岡大学)
▪️参加人数:5人(対面)+12名(配信)
▪️開催記録:

 3月21日に開催した第2回研究会では、「コマーシャルの会」の世話人のお一人であった吉田清彦さんをお招きし、お話を伺いました。同じく世話人のお一人であった小川真知子さんをお招きした前回(2025年12月14日開催)の話題に加え、①同会が発行したミニコミ誌の読者と世話人との関係や、②CM出稿企業とのやりとりについてなども、さらに深掘りして伺うことを目指しました。

 当日は、吉田さんに事前にご準備いただいたレジュメや年表等に沿い、ご自身の経験や各時代の社会的背景を交えながら、同会結成の経緯と特徴、そして活動の実態と社会からの反応といった内容をお話いただきました。また、研究会の中盤からは、プロジェクトメンバー(石田・丸山・今城)が事前に用意した質問にも、話の展開に合わせてお答えいただきました。

 上述①に関して、吉田さんによれば「CMは見ていない」という反応だった読者も、会報を読んで「そういえば見たことがある」と思い出すことがあったといい、普段意識して見ていない人でも自然に見てしまっているということに気付かされ、CMが持つ影響力の大きさを感じたそうです。②については、忖度のない同会の会報に対する企業側の反応がどのようなものであったかを、実際に受け取った返答と併せ、詳らかにお話しいただきました。

 お話の中で第一に印象的であったのは、男女雇用機会均等法などの法律施行や、家庭科男女共修の開始など、同時期の社会の大きな動きと会の活動が大きく連関していたことです。さらに関西圏ならではの背景として、大阪府立女性総合センター(愛称:ドーンセンター)の開館(94年)と、そこでの活動によって社会運動団体同士のつながりが生まれていたことの重要性も再確認しました。第二には、吉田さんが行っていたCMの収集・編集方法が挙げられます。会の活動当初はCMの内容をメモして冊子化していたそうですが、資料の正確を期すため、初めはカセットテープで音声のみを、のちにビデオデッキで映像も記録し始めたといいます。また、CM情報誌を参考にCMだけを録画する方法にたどり着き、それらを録り溜めたものが同会のCM映像資料として残されていたことが明らかになりました。当時のメディア利用とフェミニズム運動との接続点が垣間見える、非常に興味深いエピソードといえます。

 研究会の参加者からは、「CMは色々な価値観を何気なく浴びせる効果があるが、CMを考える運動自体にも影響力があったことが分かった」「2000年代以降の、ジェンダーフリー・バッシングとの関係がとりわけ興味深かった」といった感想が寄せられました。なお、今回は対面のみで開催したため、事前申し込みのあった希望者には収録した映像を後日配信しました。

 引き続き本プロジェクトでは、「コマーシャルの会」の関係者にお話を伺いつつ、同会が残した会報およびCM映像資料を読み解いていきます。さらに今後は、同会によるビデオデッキでのCM録画等のメディアの実践行為を手掛かりに、フェミニズム運動史とメディア研究とを架橋する、研究会やワークショップの開催を予定しています。

▪️記録作成者:今城和香(立命館大学大学院)