第6回 研究会 舞台としての雑誌:道具の美をめぐる議論を計算社会科学とテキストの概念分析から読み解く(06/13開催、06/12申込〆切)

▪️開催日時:
 2026年06月13日 13:00-16:00

▪️開催形式: 
 対面開催

▪️開催場所:
 大阪経済大学

▪️登 壇 者:
 小田中悠(京都先端科学大学)
 團康晃(大阪経済大学)

▪️司 会 者:
 團康晃(大阪経済大学)

▪️企画趣旨:
 近年メディア研究はより多様なデータを分析の対象としている。一方で、これまでも多くの研究が蓄積されてきた対象として「雑誌メディア」がある(近年の研究として永田大輔ほか2025)。本研究会は、メディア研究、殊、雑誌メディアを収集し分析するという際に考えられるデータ観、分析アプローチの多様性、そしてそのデータを協働で分析していくというプロジェクトのありうる道がいかなるものでありうるかを試みるものである。その一つの事例として「道具の美」をめぐる歴史に光をあてたい。

 私たちは飲食を行う際、必ず道具を必要としている。どのような道具を用いて飲食をするのかという問いは、民族や国と紐づいた文化・歴史の問題として民具研究からアプローチされてきた(神崎2017等)。一方日本では茶道や民藝運動のように飲食をはじめとした生活道具の美しさ(以下、包括的な概念として暫定的に「道具の美」と呼ぶ)そのものが焦点化された趣味の蓄積がある。それは大正時代から昭和以降、財界人だけでなく、広く「大衆」の消費文化として広がっていった。

 こうした展開について茶道史研究(熊倉功夫1997等)、民藝研究(土田眞紀2007等)、趣味の歴史研究(神野1995)など各領域の蓄積がある。本研究会は、この時代において重要な働きを果たした「雑誌」メディアに注目する。それは各領域を駆動させるメディアであり、各領域間の境界と際立たせる実践の舞台でもあった。そこには多くの読者も投書などを通して参加していた。

 具体的には、民藝運動の中心的な雑誌『工藝』(昭和6-26年)、鑑賞陶器についての雑誌『陶磁』(昭和2-18年)、北大路魯山人が顧問を務めた星ヶ岡茶寮の機関紙『星岡』(昭和5-16年刊行)、骨董趣味の雑誌『茶わん』(昭和6-25年)がそれだ。

 本研究会は、サントリー文化財団「学問の未来を拓く」(「道具の美」をめぐるメディア実践の歴史的研究、2023年度、2024年度)、科研費(「道具の美」の社会学:雑誌資料への計算社会科学と歴史社会学からの混合的検討の試み)の助成を受けて整理してきた四誌の目録データの計算社会科学的アプローチと、雑誌上の論争を対象とした概念分析的アプローチを試みるものである。

 具体的には四誌の目録データから、多様な執筆者の四誌における執筆回数等から領域における執筆者の位置づけや執筆者間のネットワークを描きだす。また執筆内容についてもその趨勢を素描することを目指す。また雑誌上の論争の分析を通して、「民藝」「骨董」等の概念の輪郭が作られていく過程を明らかにする。

 それは道具の美の歴史の一端を明らかにする作業であり、また雑誌資料を用いたアプローチの新しい可能性を模索する試みでもある。

▪️参加申し込み締切:
 2026年6月12日

▪️申し込み方法:
 團康晃(dan@osaka-ue.ac.jp)宛てにメールでの申し込みしてください。