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第33期第2回研究会「若年層のSNS利用に関する倫理規範の構築について」
(メディア倫理・法制研究部会企画)終わる

日   時:2012年1月25日(水) 19:00〜20:50
会   場:同志社大学今出川キャンパス 扶桑館107教室
問題提起者:中谷 聡(京都光華大学講師)
討 論 者:津田正夫(立命館大学)
司   会:渡辺武達(同志社大学)
参 加 者:25名
記録執筆者:渡辺武達

現在の日本では、携帯電話、スマートフォンを含め、家庭のインターネット使用率は90%を超え、なかでも、10代後半から20代にかけての若年層のSNS/ソーシャルメディア(Blog、mixi、twitter、facebookなど)による相互コミュニケーション手段が活発化している。一方、それらが災害時のきめ細かい救済活動等を保障している反面で、犯罪自慢や有名人への誹謗中傷、プライバシー侵害、はてはビジネス的な詐欺行為などの反社会的事象も頻発している。

本研究会では新しい通信技術と利用法の実用化にあたり、私たちは利用者の利便性と公益性をいかに整合した利用ができるかについて議論した。問題提起者は主として、それらのコミュニケーションのマイナス面を例示しながら解決すべき点を列挙した。討論者はそれを受けて、従来の一方向的な情報の流れがSNSによって双方向性を担保され、実行されていることを評価しつつ、問題設定の枠組みについて、従来的なインターネット利用とSNSの親密圏との違いを明確にしながら、(1)「反倫理」「有害」とは何か(2) "反倫理""有害"認定者は誰か(3)ルール・掟、マナーの設定の是非(4)メディアの事業者や監理者の商業的利用傾向の危なさ…といった基本的なことから議論すべきであると指摘した。

研究会には大学関係者の他に、関西地区での実際の新聞やテレビの経営陣や現場の記者が10名ほど参加し、マスメディアとSNSの特性を活かした相互乗り入れとコラボ、そこに至るまでの各メディアの特性の社会的学習の重要性、総合的な情報アカウンタビリティにまで話が及んだ。二時間弱の研究会があっという間に過ぎ、学会における今後の議論の継続への要望が出された。