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■ 第30期第16回研究会(ジャーナリズム研究部会企画)終わる


テーマ:「ジャーナリズム・マスコミ関係科目の教授法」
日   時:2007年3月16日(金) 18:00〜20:20
場   所:日本新聞協会 大会議室
報 告 者:別府 三奈子(日本大学)
      藤田 真文(法政大学)
司   会:水野 剛也(東洋大学)


 ジャーナリズムやマス・メディアに関係した授業を担当している大学教員に、日々の授業で実際に使っている授業運営方法を報告してもらい、その後は自由な質疑応答をおこなった。

 藤田会員は、「コミュニケーション論II」(法政大学等)を事例とし、主として視聴覚資料を使用するコツについて報告した。具体的なアドバイスとして、各大学・教室の設備を事前に把握しておく、映像はかならず編集し見せっぱなしにしない、カリキュラム全体での担当科目の位置づけを把握しておく、出席しなければ得ることのできない情報をかならず盛り込む、わかりやすい授業であると同時に学生にも理解する努力を促すようにする、などの諸点をあげた。

 別府会員は、「報道・編集論」(日本大学)や「マスコミ論」(立命館アジア太平洋大学)などを事例に、授業運営全般にわたる技法について報告した。具体的なアドバイスとして、リアクション・ペーパーを使って学生の理解度を測りながら授業参加を促す、アンケートを実施して学生のマス・メディア環境を理解する、理論を紹介する際にはできるだけ最新の事例に結び付ける、などの諸点をあげた。

 その後の質疑応答では、新聞を読ませる方法、遅刻者・途中退席者への対応、テキストに頼りすぎた授業にしないための方法、学習能力や意欲の低い学生の指導法、授業内での映像資料使用と著作権との関係、評価基準に関する日米の大学文化の違い、ティーチング・アシスタントとの教務分担、効果的な理論の教授法、などについて話し合われた。

 全体として活発かつ和気あいあいとした研究会で、成功裏に終わった。教歴の有無にかかわらず、全国各地から40名以上もの参加者が集まり大盛況となった事実は、こうした研究会に対するニーズが会員のなかに確実に存在することを強く示唆していると考えられる。
(記録執筆:水野剛也)